新しいwebプラットフォーム「Solid」に登録してみよう!

WWW(World Wide Web)の考案者であるティム・バーナーズ=リー氏から、新しいwebプラットフォーム「Solid」が発表されました。

[目次]

概要

発表された「Solid」とはどのようなものであるかを調べてみました。

Home | Solid
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これによると、「ウェブを再形成する」ことが目的とされています。
ティム・バーナーズ=リー氏がGoogleAmazon、MSなどの超大規模な企業がweb上の情報を掌握している状態にたいして以前から懸念を抱いていたそうです。
これを打開すべく、以前からこの「Solid」の開発を進めていたようです。

「Solid」において、wwwが考案された当時の理念を復活させる、ということが目的のようです。
情報が中央集権的なサイトから提供されるのみの状況から、webブラウザから書き込みのできる、双方向的なwebを実現するためのプラットフォームとなるようです。
ホームページにも、「Solidはユーザーがインタラクティブイノベーション、コラボレーション、共有できる、読み書き可能なWebになります。」「今日存在するあらゆる機能を上回る機能を備えた新しい種類のアプリケーションを提供します。」といった、双方向性を重視した記述がされています。

ただ、無作為に編集可能でなく、web上で人物が明示されることが特徴です。
個人がデータに対して作業を行うことが出来る権限、個人が誰であるかを一意に確認するための身元確認のためのシステムが、Solidにより提供されるということです。
Solidはアクセス権とIDを組み込んだ読み書き機能を持ち、Websocketを介してデータの管理とリアルタイムの更新を可能としている、と書かれていました。

Inrupt社とは

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InruptはSolidの設立チームによって設立された商業団体でり、Solidの成功に貢献する企業であると記載されています。
ポータルとツールキットの開発に関する業務を行っているようです。
恐らく商業利用等に関する整備などを進めているのではないでしょうか。

アカウントの作成

それでは早速「Solid」に登録してみましょう。
「え、じゃあ今までの中央集権なwebと一緒じゃん」って思いますよね。
というか、思いました。

この作業は、「web上でのIDを発行する作業」と考えてよいと思います。
実際にWebIDが発行されます。

まずは、公式ホームページの「GET A POD」のページに向かいましょう。
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Get a Solid POD | Solid

SolidのPODにはプロバイダーがいます。
「Inrupt」と「Solid Community」が表示されていますね。
これは、Solidのサーバーを経営している人、といったところでしょう。

これは現段階でどちらを選んでもよいと思います。
現段階のプロバイダーは開発者向けに最低限の機能を提供している、と書かれています。
そのため、APIなどで様々な機能にアクセスすることを前提としており、昨日は最低限に抑えられています。
今回はWebIDを入手するため、右にあった「Solid Community」を押してみました。

※)僕のようなちゃんとした開発が出来ない人が求める、非開発者なユーザー向けなサービス自体はまだ提供されていないようです。
アプリケーションを色々と搭載したバージョンのサービスはもうすぐ提供されるかもしれません!期待ですね。

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押すと「Register」と「Login」が表示されたボタンが現れます。
初めて触るので「Register」を押しましょう。

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すると登録画面が押されます。

  • username:WebID表示される名前です。WebIDの表記は後述。
  • passward:任意。16桁で登録できたことは確認できました。
  • name:これはだれが登録したか、という情報です。見たところ、だれが編集した、とかを明記するための情報のようです。現状ではペンネーム的なものでもよい?
  • email:任意のメールアドレスです。
  • webID:これはアカウント作成後などに発行されます。今は入力しなくていいと思います。

それぞれ登録していきましょう。
「Register」を押すと登録が完了します。

WebID発行

Registerを押すとWebIDのURLが表示されたページが表示されます。
少なくとも、メールの確認などはメールボックスに届きませんでした。
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記載されている通り、「https://(username).solid.community/profile/card#me.」という形でWebIDが発行されています。
便宜上、ここではこの画面を「publicホームページ画面」と呼びます。

publicホームページ画面について

「publicホームページ画面」では、

  • 誰のSolidのHome画面なのか(画面左上にusernameが表示)、
  • userのデータとアプリケーションの情報

が確認できるようです。

Dataについて

まず、Dataから見ていきましょう。
「Profile」、「Inbox」、「Public Folder」の3つが閲覧可能です。
それぞれ、

  • Profile

開くと「card」というページが表示されます。
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これはWebIDの所有者に関する情報を記載できる画面のようです。

  • Inbox
  • Public Folder

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共に、機能は共通であると考えられます。

違いは、「Inbox」は「Private」という設定がついており、「Public Folder」には「Profile」と同じ「Public」という設定が付けられています。
「Private」設定は外部から「」を確認した時に、作成者としてのログインが要求されます。
これに対し、「Public」設定ではだれでも追加・編集が可能となっているようです。

「Inbox」、「Public Folder」で使用可能なツール

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現状、詳細が把握できていませんが、箇条書きしておきます。
これらの作成後、作成者のnameが表示されていました。

  • Make a new Address Book:名前の通り、電話帳を作成します。メールアドレスをなどを複数追加可能のようです。

Make new Notepad:ノートを作成します。これは普通にノートです。
Make new Chat:チャットを作ります。これは古いwebチャットのような画面でした。
Make new Long Chat:これはメッセージアプリのようなチャット画面が出来ます。日付などが表示されるので、期間的にLongなチャット用でしょう。
Make new Meeting:これはいつ、どこでmeetingをします、という告知用のようです。
Make new Schedulable Event:カレンダーのようにも見えますが?
Make new Link @@
Make new Dokieli Document:これは「Dokieli」というタイプのドキュメントを書くことが出来るようです。
Make new folder @@:これはツールを入れ子状にできます。名前の通りフォルダでした。
Make new source @@

すいません、あまりよくわかっていないので、分かり次第順次追加していきます。
ただ、同名のツールを追加することは出来ないようです。

「publicホームページ画面」を外部から見た様子

外部からはpublic設定になっている「card」と「Public Folder」が閲覧出来ました。
試しに別のブラウザから表示してみましょう。
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外部から表示される「publicホームページ画面」と、ログイン後に表示される画面は同等でした。

また、「Inbox」の表示にははWebID所有者としてのログインを要求されます。
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その他、「Public」設定の画面は閲覧可能でしたが、編集には「Solid」にログインしておく必要がありました。

動作環境(?)

ちなみにブラウザはedgeでは正常に動いていません。
少なくとも、Public設定の「card」と「Public Folder」は真っ白な画面が表示されました。

また、日本語入力は問題なく行うことが出来ました。

余談 - 匿名性とは相反するのか?

今回は試しにWebIDを作ってみました。
現状、僕の力量では全貌が把握できず、編集可能なwebページという範囲です。
wikiページと異なる点は明確に所有権がある、ということですが、公開されている範囲では最低限の機能に抑えられているため、新鮮さはさほど感じられませんでした。

しかし、web上で「個人」が明確となることは、「炎上」などのネット特有の問題を解決するにあたっては有用かもしれません。
こちらと相手の顔が明確でないため、過剰な行動に出てしまいますが、「個人」が明確となることが、ある種の抑止力となるかもしれません。

ただし、ネット上は匿名であるべき、という考えは比較的広まっている考えです。
この匿名を望むweb上の住人と、Solidをはじめ、個人を特定する派閥とでは、中央集権に縛られない、という面では似た概念であると思われます。
ただ、「個人」の有無については明確な差があるため、ティム・バーナーズ=リー氏の望む中央集権的なwebが解消されたとしても、その先には「匿名」との争いが始まるかもしれません。

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